教育方針

 配属された学生緒氏ひとりひとりに世界最先端となる大きなテーマが与えられ、各自が一定の裁量のもと自由に研究を行うことになります。材料の合成から、構造解析、物性評価(第1原理計算を含む)、蓄電池評価までを一貫して行っていますが、いたずらに特殊手法に逃げず頼らず、基本的な実験や計算を通じて”研究センス”を磨き、基礎科学に立脚した展開力を身につけるよう指導しています。また、自分が理解したことや主張したいことを、人にわかりやすく、効率的に伝えるためのプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力の向上にも力を入れています。ロジックを組み立てるために真に必要な情報はなにか、無駄をそぎ落とすことを真剣につきつめていくことで、人を引き付ける洗練された美しさと力が生まれます。学会、卒業・修了発表のみならず、毎週のゼミでの研究報告や論文紹介においても、“メリハリ”、“緊張感”、“質”を要求しています。修士課程の学生にも国内学会はもちろんのこと国際学会での発表の機会が多くあります。国内外を問わず、他の研究室や外部機関との連携を積極的に進めており、学生も中心的な役割を担うことになります。その中で、100回の実験よりもむしろ1回の議論の方がはるかに大きく研究を進展させるといったことがよくあります。そのようなチャンスをできるだけ多く自らのもとに引き込むために、研究室生活を通じて、相手(違い)を尊重しつつ建設的な議論を組み立てる姿勢を身につけてほしいと考えています。健全な批判精神は非常に重要である一方、批判だけでは何も生まれません。

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